ラウペ

母を亡くして二人で暮らす父と娘。父は検察官で凄惨な殺人現場と家を往復する生活、娘は摂食障害で入院し、セラピストによる治療を受けている。娘は母の死がきっかけで父のことを毛嫌いし、そのことが摂食障害の原因となっているらしい。セラピストは霊媒師としてもその道の権威で、治療の一環としてその能力を利用して父と娘の関係を修復しようとするが・・・
押さえたタッチで淡々と登場人物の様子を描き続け、この先どうなんの？という気持ちがどんどん募ってくる不思議な緊張感漂う作品。
第65回ベルリン国際映画祭銀熊賞（監督賞）受賞。



ある種の辛抱強さが求められる映画ですが、見終わってみると、足元が心なしか軽くなっているような不思議な余韻を残します。
ネタばれ無しで良さを語るのは難しいのですが、「ゼイリブ」とか「或る終焉」とか、「ゴールド金塊の行方」を見た人には分かる映画、といえるかもしれません。
（分かるかなー、分かんねーだろうな～、イェーイ！）

映画館を出た後も、母親が居た頃の生活、父と娘が以前はどういう関係だったのか、この先父と娘はどうなるのか？とか、いろいろなものがじわじわと迫ってきて、なかなか頭から離れなくなります。
似非科学やインチキ宗教に懐疑的な人、そして、この映画の途中が退屈だと思う人にこそ、お勧めといえるかもしれません。


『君はひとりじゃない』
8/19（土）～9/1（金）
連日①11：50　②17：35
ＨＰ：http://hitorijanai.jp/