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静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

ラウペ

感動のロードムービー『家(うち)へ帰ろう』

アルゼンチンに住むユダヤ人の仕立屋アブラハムは、娘たちが家を売り、自分を老人ホームに入れようとしていることから家出を決意。第二次大戦中に自分を助けてくれた親友に約束した背広を届けにポーランドに向かう。

家へ
(C) 2016 HERNANDEZ y FERNANDEZ Producciones cinematograficas S.L., TORNASOL FILMS, S.A RESCATE PRODUCCIONES A.I.E., ZAMPA AUDIOVISUAL, S.L., HADDOCK FILMS, PATAGONIK FILM GROUP S.A.



この作品は主人公がポーランドに向かう途中でさまざまな人(殆どみな女性)に出会うロードムービー。
ホロコーストものながら、主人公が頑なに自分のスタイルを曲げないところや、単なる良い人というだけではない、したたかなところ見せることで、軽妙なタッチで物語が進行していきます。
出会う女性たちとの会話が大変魅力的。
途中で以前に喧嘩別れした娘との邂逅があり、さまざまな親切にも触れていきますが、ときどきフラッシュバックのように現れる回想からは筆舌に尽くし難い体験の重みが伝わってきます。
「聞いた話じゃない、この目で見た。」というセリフが胸に刺さります。
いくら親切にして貰っても、なかなか「ドイツ」を受け入れることができないばかりか、列車の中ではナチスの幻想を見たりもします。
この頑なさもむべなるかな、コミカルとシリアスな要素のバランスが大変心地よいのです。

駅で行き先を示す「POLAND」と「NO GERMANY」と書かれた紙切れを見せ、ドイツを通らずに行く方法を訪ねる場面が登場しますが、これは監督の実体験が元になっているとのこと。
幼い頃、監督の祖父の家では「ポーランド」という単語は禁句で、それがホロコーストの体験によるものだと知ったことが、この作品を作る契機になったのだとか。

いくつもの出会いの後にポーランドにたどり着いたアブラハム、70年の歳月を経て、親友との再会は果たせるのか・・・緊張のクライマックスは見てのお楽しみ。
さりげない伏線が最後に効果的に決まり、物語が閉じるところ、涙腺崩壊必至の作品です。


『家(うち)へ帰ろう』
1/19(土)~2/1(金)
①10:00 ②15:55
HP http://uchi-kaero.ayapro.ne.jp/



タグ :家へ帰ろう

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Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 16:53

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