なべ

先月の先行上映会で１階のホールを満席にした『止められるか、俺たちを』が現在絶賛上映中です。映画界ではすでに人気も実力も認められている、門脇麦さんを主演に迎え、井浦新さんが恩師、若松孝二監督を演じ、１９６０年代後半～１９７０年代前半の若松プロに集う若者たちの熱い物語。




実を言うと私は若松監督のピンク映画を観たことがなく、『実録・連合赤軍』以降の『千年の愉楽』までを観ています。監督は性や暴力をテーマにして作品を撮っていますが、女性をぞんざいには扱っていない、実はお母様をはじめ周りの女性を大切に思っている方なのではないかとトークショーやサイン会でお会いしたときに感じました。
麦さん演じる、めぐみさんは女性ながらピンク映画の助監督として若松プロで働き始めます。たくさん怒られ、時には褒められ、仲間の活躍に焦り、アイデアの創造に苦しむ姿は多くの人がいつかの自分の姿と重ね合わせてしまうでしょう。




本作には赤塚不二夫さん、大島渚さん、重信房子さんなど実在の有名人もたくさん登場します（どなたが演じているかは観てのお楽しみで）し、めぐみさんのまわりの面々も個性的で魅力的で、熱い人ばかり。若松作品や学生運動を知らなくても関係なく入り込んで観てしまいます。
特にめぐみさんの電話の場面と若松監督がめぐみさんの家に駆けつける場面は胸が締め付けられました。鑑賞後、誰かと語り合いたくなる一本です。今まで見たことのない麦さんや新さんに会いに来てください!!

一部セリフが聞き取りにくいと感じたのですが、安心してください。受付で販売中のパンフレットには解説付きのシナリオがついています。しかも今なら直筆サイン入りですよ！「止め俺Tシャツ」もあとわずか！シネギャラリーで１１月９日まで上映中です。

『止められるか、俺たちを』
10/27（土）～11/9（土）
連日①14：30　②18：50
http://www.tomeore.com/