“福”支配人

どうも、“福”支配人です。
先日、静岡から離れた友人から「“福”支配人のブログ時々読んでるよ」と言われ、
嬉しくなり「(告知ブログじゃなくて)たまには作品紹介ブログも書いてみよう」思いました。

石井裕也監督の『川の底からこんにちは』も『あぜ道のダンディ』も大好きだったので、
今日は最新作『ハラがコレなんで』のご紹介をさせていただきます。
(C) 2011『ハラがコレなんで』製作委員会 
『ハラがコレなんで』の主人公・原光子(仲 里衣紗)の生きていく上での判断基準は
「ソレが“粋”か？“粋じゃない”か？」。
そして考えは、「”いい風”が吹いていない時は、昼寝が一番」で、「ＯＫ」ということ。

残念ながら、“粋”だけじゃ生られないことを知ってしまっている“福”支配人としては、
東京の“時代遅れの長屋”を舞台にした現代劇は、すでにファンタジーなんですが、
いつしかその世界観に引き込んでくれるのが、石井監督(２８歳！)のスゴイところ。

そして終盤、すべてを変える“いい風”からの、更なるファンタジー！ど～ん！！
『川の底からこんにちは』の発展版(進化版？)と紹介されるのも納得の痛快人情映画です。

静岡新聞の記事(たしか12/20夕刊)で、映画評論家の金澤誠さんが書いていましたが
「現代の女版“寅さん”」という形容にも納得です、いつしかキャラに愛着が湧いてきます。
 
それはもちろん、光子から長屋に住むおばちゃんやおじさん達にも派生していきます。
舞台設定もそうですが、それぞれのキャラ設定が面白いのも石井監督(＆脚本)ならでは。

是非、この“粋”に生きることをモットーとする妊婦・『ハラコレ』光子と、
彼女を取り巻く人々の悲喜こもごもをお楽しみください、映画納めにオススメです。


(「キャラ」という言葉で思い出したのですが…以下、余談です…)

“福”支配人は、最近あまり静岡の夜を楽しむ機会が減ってしまったのですが、
昭和町のひょうたん横町にある「伽羅(キャラ)」という飲み屋に時々行っています。
(私事で恐縮ですが、今年は嫁の「ハラがコレだったんで」、外出は自粛中です…)
(無事に長男が「ハラからデテきたんで」、親父は尚更出掛けにくくなりましたが…)

その店は、(本作『ハラコレ』にも通じる)昭和風情を感じる昔ながらの飲み屋です。
そこの店主・伽羅ママは、花柳界出身というだけあって“粋”です(キャラも濃いです)。
(でも本作の光子を見て「おせっかいなコだ」とか感じる人にはオススメしないお店ですね…。)

「“福”支配人は“粋”にはまだまだね…、
　でも今時めずらしい“とっぽい”兄ちゃんよ」

なんて言われて、「そういえば“とっぽい”なんて言葉もあったなぁ…」と
思いながら嬉しくなったのを思い出します。
(こんなんで嬉しがっちゃうのところが野暮なんですが…)

元気と勇気がなくなったら、また伽羅に行こうと思います。
伽羅のトイレに入ると、ある名画のある名台詞が飾られているからです。
『リバティ・バランスを射った男』(監督：ジョン・フォード／1962／アメリカ)
「“粋”だねぇ～」っとつい口にしたくなる名台詞なんで、是非行ってみて下さい。
(伽羅はひょうたん横町入り口の黄色い看板が目印です)
…って、今日は飲み屋紹介じゃなかったんでした！映画の紹介をするんでした！

『ハラがコレなんで』是非見に来て下さい。
元気と勇気が湧きますよ！

※『ハラコレ』19:10～21：05を観た帰り道に、
　伽羅に寄って飲んでいくっていうのがベストかもですね