こんにちは。みのりです。
最近は雨が多いですね
一年を二十四の季節に割った「二十四節季」では、今は「穀雨」という季節だそうです。
雨降りはうんざりするけれど、穀物たちが喜んでいると思えば、ちょっと我慢してみようかなという気になりますね
ちなみに七十二で割った「七十二候」では、今は「葦始生(あしはじめてしょうず)」。
一年で七十二もの季節の移ろいを楽しめる日本に住んでいることに感謝です。
さて、世界共通言語といえる映画にも、かつては日本独自の風習・上映形態がありました。
「活弁」と呼ばれる形態です。
現在上映中の
『アーティスト』で描かれているように、初期の映画は映像だけでセリフも音楽も効果音もなし。まったく無音のメディアでした。
『アーティスト』
© La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Américaine – JD Prod – France 3 Cinéma – Jouror Productions – uFilm
そのため、当時の役者はパントマイムだけで物語を伝えるテクニックに熟達していたわけですが、音がないとやはり寂しい
『チャップリンの冒険』より パントマイムの達人、チャップリン
一方日本には、江戸の昔から続く、
落語・人形浄瑠璃の太夫・歌舞伎の出語りといった話芸の伝統文化があります。
そこで、「スクリーン横に立った解説者が、無音で上映される映画にナレーションや登場人物のセリフを当てる」という日本独自のスタイル、
「活弁」が生まれたのです。
(解説者を「活動弁士」と呼ぶのは、映画を「活動写真」、略して「活動」と呼んでいたからです。)
彼ら活動弁士が時に技巧を凝らし、時に味わい深く、フィルムに「声」という命を吹き込むことで、映画は一級のエンターテインメントになっていたのです
今から百年近く前、明治の終わりから大正、昭和の初め頃のことです。
当時の大スター 阪東妻三郎
ところが、技術の進歩により映画フィルムに音声を記録できるようになると、活動弁士の活躍の場も激減してしまいました
そしてとうとう、進化の袋小路にはまった新生代の動物たちのように、彼らは絶滅してしまったのです。
…と、思っている人も少なくないのではないでしょうか。
いえいえ、
今でもいるんですよ、活動弁士。
もちろん往時のように沢山ではありませんが、現役で活躍されている活弁士さんはいらっしゃいます。
しかも、近年は弁士志願者も一時期より増えているそうです。
そういうことなら…せっかく日本という国に暮らしていて、映画好きなのだし、
実際に活弁映画を観てみたい、聞いてみたい。
そう思いませんか?
そこで、静岡シネ・ギャラリーは、一日限定!活弁映画の上映イベントをご用意しました
『活動弁士とキネマの世界』
6月24日(日)
出演:坂本頼光
上映:Aプログラム「寄らば斬るゾ!特選時代劇」
Bプログラム「世界三大喜劇王!!」
静岡ではなかなか接する機会のない活弁映画です。どうぞどうぞ、お見逃しなく
(各プログラム200名限定ですので、事前のチケット購入をおすすめしています)
…ちなみに、この『活動弁士とキネマの世界』が開催される6月24日、二十四節季では何という季節か分かりますか?
ヒントは、一年で最も日の長い時期
…そう、「夏至」です。
長い一日、名作映画&名人話芸でゆっくりとお過ごしください
※次回からのブログで、出演弁士の坂本頼光さんと各上映作品を詳しく紹介していきますのでお楽しみに