こんばんは!のむげです!
GWも、今日で終わりですね~。。
明日から仕事や学校、頑張って下さいね!
さて、先日行われました、【特集:こどものまなざし】の舞台挨拶のレポートをしたいと思います!
ご来館下さった皆様、誠にありがとうございました

第一弾は、『葦牙 あしかび』小池征人監督です。
この21世紀の現代社会の闇ともいえる、児童虐待。
かろうじて救われ、施設に保護されている子どもの数は、4万人にも及びます。
しかし、表に現れない数は30万人とも言われています。
児童虐待で子どもを殺害してしまったというようなニュースも、よく耳にするようになりました。
児童虐待を受け、心の傷を負った子どもたちがどのように再生していくのか、
また、虐待を行ってしまった母親にも目を向けており、本当の教育とは何か、社会的養護の現状とは何かを包み隠さずフィルムに焼きつけたのがこの「葦牙」という映画です。
そんな葦牙の小池監督の舞台挨拶をレポートしたいと思います!
小池監督:
岩手県と秋田の県境の近くの沢内村という、昭和30年代に乳児死亡率を日本で初めてゼロにしたという村があり、葦牙を撮影する前の作品「いのちの作法」を撮影しました。
そこに(『葦牙』の舞台になった)みちのくみどり学園の子供たちがホームステイをしたりと、沢内村の村人に支えられて交流をされていました。
私もそこで(みちのくみどり学園の子どもたちと)知り合いました。
そこで子どもたちがどれほど頑張って来ているのか、現場がどんな事をしているのか、もっともっと彼らの事を知ってもらおうと、そうすれば彼らのためにもなるだろうという提案を受けたのです。
当初は家族の中にカメラが入れるかどうかなど、いろいろとプライバシーの問題もありますから、僕自身は躊躇しておりました。
しかし、みちのくみどり学園の方がいろいろとサポートして下さいまして、カメラに映るこどもたちの権利は彼らの両親たちに全て了解をとる事など、みどり学園がやってくれるから是非撮ってくれと言われまして、「(その熱意に)応えないと!」と思い撮影する事になりました。
みどり学園の職員さんから聞いた事ですが、みちのくみどり学園は、虚弱児施設として創設されました。
初めの1ヵ月位は子どもたちの行動がよくわからなかったのですが、もちろん体の弱い子たちが多く、亡くなってしまった子も多くいまして、悔しい思いを一杯してきたそうです。
(その悔しさから)虐待を受けた子どもたちは命があるじゃないかと、ここで自分たちが引きうけようともっと積極的になれたというのを聞きました。
(かつては虚弱児等をみどり学園は受け入れていたため)子どもたちは体が弱いだけでなく、心も弱くなってしまっており、それでも弱く小さな心でも、育てていこうと思っていました。
しかし、虐待を受けた子供たちの心は、真っ暗で何もない事に気づき驚いたそうです。そこで、この学園で子ども達の心を作ってあげればいいという事になったそうです。
つまり子どもたちが家庭で作れなかった、心とか愛情、人間と人間との関係性、意思を、社会が作ればいいのだと気付いたのです。
お父さんやお母さんが作れなかったら、社会的な母乳と言うもの、栄養である知識、言葉をどうやって作ったらいいかという事がこの映画になりまして、恐れ多くも心を作るという事をテーマに、『葦牙』という映画を作りました。
この映画を作ろうと思った時に、お母さんをどうしても撮りたいと思いました。
新聞の中などでは事件の加害者として出てきて、一過性で、僕らの前を過ぎて行ってしまうものだったので、お母さんをちゃんと撮ると決めました。
そこでお母さんの言い分を聞くと、お母さんが一番孤独で、つい(ままならずに)虐待にいってしまう事が伝わってきました。
子どもから恐らく事態が変わっていき、(子どもたちが)お母さんと再出発し、家庭に帰る事を夢見て映画を作りました。
初めは「風にそよぐ葦」という題名だったのですが、
編集の途中で、子どもたちが思った以上に、虐待という現実から逃れ、いろいろな人に支えられて、
新しい生き方を見せてくれたので、最終的に『葦牙』という題名にしました。
春先に葦の根から新しい芽が牙のように出てきます。
古事記には日本の神々が誕生する時の表現に「葦牙の如く萌え騰れる(あしかびのごとくにもえあがれる)」という言葉があります。
子どもたちがどんな虐待を受けても、社会の大人たちがちゃんとしていれば、こどもたちが生きられるとを願い、子どもたちへ向ける応援のつもりで映画を作成しました。
『葦牙』小池征人監督談
生命力の象徴である『葦牙』。
虐待と言う辛い過去をバネに、たくましくしなやかに伸びる葦の新芽のように生きる子どもたちを応援したいと言う小池監督の想いが、この映画になったのだと思います。
映画『葦牙』5月14日まで、静岡シネ・ギャラリーにて
連日①10:30 ②14:45 ③19:00で上映をしております。
この作品はスクリーンでの上映のみという条件のもとで制作が実現しました。
DVD等の映像ソフト及び、テレビでの放映はありません。
是非この機会をお見逃しなく。