eしずおかイベント情報

静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

涙がかわいたら、また歩いて行く。

こんにちは!のむげです。
先日セノバオープンしましたね~!!
もう行かれましたか?
私は残念なことに風邪をひいてしまってダウン中なので、また回復したらセノバ堪能したいと思います!

さて、今日は現在上映中の映画のご紹介です。
久々にイラク映画…『バビロンの陽光』です!
ストーリーは、フセイン政権崩壊から3週間後、2003年のイラク北部クルド人地区に暮らす老いた母は、12歳の孫アーメッドを連れ、戦地から戻らない息子を捜す旅に出る。
少ししか現金を持っていない祖母と少年は、ヒッチハイクをしながらさまざまな出会いと別れを繰り返し、過酷なイラクの現状に押しつぶされそうになりながら砂漠の中を進むが……。
というお話しです。アーメッドもおばあさんも、俳優さんではなく、一般の人から監督が選んだそうです。

突然ですが、2003年、今から8年くらい前のことですが、皆様何をしていましたか?
私は学生でしたが、フセイン政権が崩壊したのを何となく覚えています。
何となく、というのがポイントでして、正直、だからなんだろう?と言った感じでした。
イラクの内戦や、アメリカの侵攻など、もちろんトップニュースで報じられていた時期でしたから、
よく目にはしていましたが、非常に複雑すぎて正直頭に入ってこないのが現状でした。
(今もそうですが。。)

この『バビロンの陽光』はそういう難しい話は抜きにして…という感じでしたので、非常に見やすかったです。
アカデミー賞を取った『ハート・ロッカー』と同じ舞台ですが、また全然違います。
兵士たちの戦いのお話しではなく、もっと身近な、イラクで暮らす一般の人々の生活を描いた作品でした。
どうして戦っているの?だとか、何が原因でこうなってしまったの?という予備知識があれば最高ですが、
それがなくても、単純に戦争が起こっていて、その影で犠牲になっている人が数多くいるということがわかれば、全然OKです。

念のため、知っておいてほしいこと、ですが、

・アラビア語とクルド語
 イラクの首都はバグダッドで、人口は3040万人ほどいます。
 その内アラブ人は75~80%を占め、続いてクルド人が15~20%ほどいます。
 クルド語はイラクの北部にあるクルド人自治区で公用語となっているため、
 そこで暮らす人々は、アラビア語を話せないことが多いそうです。

・ナシリア
 劇中で、おばあさんとアーメッドが父を探しに行く場所がナシリアです。
 クルド人自治区はイラク北部にあるのに対し、ナシリアはイラク南部にあります。
 そこまでおよそ900km。静岡から九州熊本くらいまででしょうか…。

・バビロンの空中庭園
 紀元前600年ごろに、新バビロニアの王が、王妃のために建てた建造物。
 高さ25m、5段の階段状になっているテラスに土を盛り、木や花を植えた。
 水のくみ上げ方法について現代でも解明できていない。世界七不思議のひとつ。
 現在、バグダッドの郊外にそれらしい遺跡が残る。


この映画を見て、何だかもう結構早い段階から号泣。。
ストーリー自体に涙するということではなく、いろいろと考えすぎて号泣といったところでしょうか。
あまりにも荒廃した世界に、ただただ悲しくなるような感じです。
自分の送っている何の変哲のない毎日が、どれだけ幸せであるか、というのを、今一度考えさせられたような気がします。

木も生えてない、一面ガレキのような赤茶色の世界。
12年前に戦争に行ったままなんの便りもない父親を探しに、900kmを行くおばあちゃんと孫。
孫のアーメッドは父親の顔も知らず、母親も亡くなってしまった。
ごく普通の日常の中に銃撃戦があり、生と死の狭間を生きている人々……。
それが特別のことではなく、『当たり前』、『普通』であることが、映画から伝わってきました。
夫を探す人、父を探す人、家族を探す人…。
共同墓地で誰のものかわからない沢山の遺骨を前に、泣き崩れる女性…。
便りもなく、『死んでいる』ことを理解しつつも、『生きている』と諦められない人。
『死んだ』ことを受け入れて、それでもどうしても遺骨を持って帰りたいと探す人。
そういう人が、沢山沢山いて、今もきっと探しているんだろうなと思ったらもう…。
何だか3.11の東北の地震を思い出してしまいました。
遠い国のことではなく、姿を変え、今私たちにもありうることなんだなあと。

こういうイラクの現状というか、『普通の人』のことを、あまり見たことがなかったので、胸が詰まりました。
アメリカ軍やイラク軍の兵士たちの華々しい活躍を伝えることも大事かと思いますが、
その裏で光を受けることもなく、ごく一部の人々しか知ることのない現実を、是非ご覧いただけたらなあと思います。
こういう時に、単純に映画って素晴らしいと思うのですが。。icon02
イラクでは過去40年間で、150万人以上の人々が行方不明となり、これまでに300の集団墓地から何十万もの遺体が見つかっているそうです。
さらに今でも新しい集団墓地が次々と見つかっているそうなので、行方不明になっている人々は増えることでしょう。
一人でも多くの方が、自分の家族の元へ、故郷へ帰れることを祈ります。
主人公の男の子がおばあさんに言った『将来の夢』が、どうか叶いますように、と心から願わずにいられません。

ラストシーンも、非常に印象深いラストでした。
書きたいけど、ネタばれになっちゃうから書けない!ので、是非見てほしいなあと思います。

最後に、バビロンの空中庭園があった時代のイラクは、非常に栄えていました。
雄大な建築物も多く、砂漠でしたが緑も多い時代。
バビロンから差す陽光は、いまだ終わることのない戦争の中で生きる主人公のアーメッドの目にはどう映ったのか…。
是非映画を見て堪能して下さい!
 

『バビロンの陽光』は、10/14(金)まで上映。
①11:50~②17:20~です!
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

涙がかわいたら、また歩いて行く。


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Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 12:00

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