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静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

ラウペ

好評上映中!『フジコ・ヘミングの時間』

フジコ・ヘミングの名前をはじめて知ったのは1999年に放送されたNHKの番組「フジコ~あるピアニストの軌跡~」を見たときのことです。
その流転の人生とともに大変印象深かったのは多くの苦労を重ねてきた人らしからぬ、どことなく飄々とした物腰と正直で飾らない語りにありました。
文字通り一夜にしてブレイクして以来、今日まで多忙な演奏活動を行ってきましたが、本作はその日常を追った初のドキュメンタリー映画。

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(C) 2018「フジコ・ヘミングの時間」フィルムパートナーズ

映画は昨シーズンからのワールドツアーに赴く合間の日常に密着するとともに、ピアノ教師だった母のこと、スウェーデン人でデザイナーだった父のこと、永い外国生活のこと、飼っている猫や犬のこと、突然の難聴のこと、実弟の俳優・大月ウルフのことなどが語られ、次第にその人となりが明らかになっていきます。
とりわけ興味深いのは世界じゅうのあちこちにある「自宅」の様子。
亡き母の遺した東京・下北沢をはじめ、パリ、サンタモニカ、ベルリン、京都とその土地に相応しい個性的で特色あるインテリア。それぞれ異なるピアノが置かれ、どこも大変居心地がよさそうな感じがします。
また、どこの家にも必ず掲げられているのが家族の写真。
父が去ったあと女手ひとつでフジコと大月ウルフを育てた母への想いが写真とインタビューの内容からひしひしと伝わってきます。

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それと、各地でのコンサートの模様。
コンサート会場のピアノの必ずしも万全とはいえないコンディションに苦労する様子は、やはりプロの音楽家らしい一面を見ることができます。
映画全体を通して演奏の場面は少なくありませんが、ひとつの曲をじっくり聴くというより演奏の様子を散りばめてある感じ。それでも、曲の流れや音色を大切にし、曖昧なところのない彼女の演奏の特徴は充分に窺うことができます。
そのなかでも、最も想い入れのある「あの曲」についてはたっぷり時間を割き、演奏を堪能できます。

最初にテレビで見たときの印象そのままに、今でもなお、いや更に魅力的なフジコ・ヘミングのさまざまな一面を堪能することができる一作だと思います。
なお、エンディングがはじまってからも大変印象的なシーンがありますので、最後までお席を立つことなくご鑑賞くださいませ。

『フジコ・ヘミングの時間』
7/7(土)~7/20(金)連日①10:30 ②14:45
公式HP http://fuzjko-movie.com/

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〈続映期間〉7/21(土)~8/3(金)
連日①10:05



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Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 17:25

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