eしずおかイベント情報

静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

映画上映情報 ラウペ

大切なものを手放して前へ進もう『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』

ニューヨーク・ブルックリンのレッドフックでレコード屋を営む主人公の男は元ミュージシャン。妻を亡くし男手ひとつで娘を育ててきたが、娘はLAの医大への進学が決まり、店も閉めることにした。娘を無理矢理セッションに誘って録音した曲がネットで拡散してチャンスが訪れるが・・・

父と娘のバディムービーであり、周囲の登場人物たちもミニマムな人数しか登場しないコンパクトなつくりながら、大事なコトはしっかり描いて、それも肝心な部分はちゃんと音楽に語らせる『シング・ストリート』や『パティ・ケイク$』などと同様の、音楽映画の王道パターン。
勉強しようとしている娘に父親が無理やりセッションをせがむところなど、父の音楽に対する想いが滲み、どちらが子供か分からない関係に、親子が芯ではしっかり繋がっていることを窺わせます。
父には同じくミュージシャンだった亡き母の面影を娘に見出し、二人でなんとかバンドを続けたいと願う一方で、娘の方では医大に進むことで安定した未来を掴む方が現実的と思っている、という逆転した親子の関係は微笑ましくもどこか羨ましいところがあります。
少なめな登場人物のなかでも、父の相談相手として大家の女性との微妙な距離感や、古い友人のバーの主人との気の置けない関係が良いコントラストを生んでいるほか、娘には恋人の彼女が居るところが今風な感じ。

hbl

物語の大詰めは店を閉める日の夜に親子のバンドのライヴを行うところ。
それまでのあれやこれやでわだかまりが残りながらも、親子が作ってきた音楽を精一杯演奏することで、それぞれのこれからについて何か心に落ちるものがある締めくくりは、王道な展開ながら爽やかな印象を残します。

若い頃や今でも音楽に夢中な人、自分でバンドやっている人、そろそろ子離れしなきゃいけないお父さん世代な人たち・・・そういう人には必ず響くところがあると思います。

また、音楽映画のパンフレットはちょっと変わったものが多く、『DOPE ドープ!!』はカセットテープのケース、『シング・ストリート未来へのうた』はLPジャケット、本作ではシングルレコードの形になっています。
鑑賞の記念にぜひ。
≪グッズのご紹介は⇊≫



『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』
https://hblmovie.jp/
7/6(土)~7/19(金)①15:30 ②19:45

(C) 2018 Hearts Beat Loud LLC

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 【重要】2021/8/14(日)『映画:フィッシュマンズ』18:30の回、上映時間変更のお知らせ (2021-08-07 15:24)

Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 16:26

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