映画上映情報 なべ

今現在シネギャラリーでは９作品も上映されており、どれも期待値の高い作品でたくさんのお客様に来ていただいております。でも私が今回オススメしたい『ハニーボーイ』は満席になってもよいくらいの作品なのですが、まだそこまでたくさんの方には見ていただいていないのでここで少し紹介させてください。



トロント国際映画祭やサンダンス映画祭などに出品され各賞を受賞した本作は、俳優シャイア・ラブーフの経験に基づいた脚本を映画化した作品。ハリウッドの子役として活躍する１２歳の少年オーティスは元道化師で無職の父ジェームスと安モーテル暮らしをしている。マネージャー業をする父はアルコールが手放せなく感情のままにオーティスに辛く当たる。よれよれの服を着て食事もままならないスター子役の私生活、華やかな世界、明るい未来を夢見ることすら父に邪魔され続けるオーティス、彼の心の癒しは同じモーテルに家族と住む少女シャイ・ガールだった。




この作品は『トランスフォーマー』や当館で公開された『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』で主演のシャイア・ラブーフが脚本と彼を苦しめたであろう父親役を演じている。彼自身も青年になってから様々なトラブルを起こしており、その更生のためのリハビリ中に書いたのがこの『ハニー・ボーイ』の脚本だという。オーティスの少年時代は当館上映の問題作『サバービコン』や『ワンダー君は太陽』に出演のノア・ジュプ、青年時代はこれまた当館常連組『ベン・イズ・バック』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジス。このキャストだけでも「観なきゃ!!」となるわけですよ。そして大人びた不思議な魅力のシャイ・ガールを演じたのはFKAツイッグス、シンガーソングライター、ダンサー、音楽プロデューサーとして活躍する彼女の長編映画デビュー作です。監督はイスラエル系アメリカ人のアルマ・ハレル監督。美しい夕陽やどぎついネオン、走るバイクから見る風景、映像の美しさとはうらはらに少年の境遇の酷さが際立って辛くなる。

日本でも子供をめぐる問題は虐待、ネグレクト、依存症など日々報じられています。オーティスがどんな道を歩んで行くのか、父との関係はどうなって行くのか、是非見届けていただきたいと思います。そして観終った後にチラシやポスターのタイトルロゴをじっくり観てくださいね。パンフレットは読み応えもありますし、表紙のデザインもインパクト大きいです。受付で販売していますのでお気軽にお声かけ下さい。お待ちしています。

『ハニーボーイ』
2020/10/2（金）～10/8（木）
①13：20～15：00

2020/10/9（金）～10/15（木）
①12：00～13：40