eしずおかイベント情報

静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

映画上映情報 なべ

大丈夫、あなたはひとりじゃない。 『82年生まれ、キム・ジヨン』


以前から書店でよく見かけていた韓国のベストセラー小説が映画化され、やっと日本で公開されました。小説の表紙は髪の長い女性の顔だけが透けていて向こうの空が見えるというもの。いったいどんな内容が示唆されているのでしょう。

韓国の82年生まれの女性で一番多い名前キム・ジヨン。彼女は職場で憧れの女性チーム長に認めてもらえるべく懸命に働いていたが、結婚して出産を機に退職し、家事と育児に専念している。本人は無自覚だが夫デヒョンはボーっとしたり物忘れがあるジヨンの異変に気がつく。疲れてるのだろうと思いやる夫にジヨンは「ケンチャナヨ」(大丈夫)と答えるのだったが、正月に夫の実家に帰省したときに皆を驚かせる言動をしてしまう。心が壊れかけたジヨンに周りの人々が気持ちを寄せ、力になろうとする。いったい彼女になにが起きたのか…。
大丈夫、あなたはひとりじゃない。 『82年生まれ、キム・ジヨン』

私がこの作品を観たとき今までにない経験をしました。始まってすぐに目に涙が溜まってところどころこぼれ落ちることがありましたが終わりまでずっと涙が乾かなかったのです。
ジヨンと同じ女性として学生時代、OL時代を経て結婚、出産を経験しましたから、簡単に言えば共感したのです。ものすごく。そして当時は目をつぶってやり過ごしてきたことも実は私だけが抱いていた違和感や失望ではなかったのだと分かって、当時の自分に思いをはせていたのだと思います。
マタニティブルー、産後うつ、社会からの断絶、体調も万全でなく周りの理解も得られない、言葉にすれば簡単かもしれないけれど、皆それぞれの要因が合わさってとても辛い時期を過ごしてきたのだと思います。ジヨンの物語は他の誰かにも、もちろん私にも共通する物語だと感じられ、将来への希望を探さずにはいられません。そういえば『はちどり』のウニもジヨンとほぼ同じ世代の生まれなのですね。
韓国映画に登場する「母」は『母なる証明』や『嘆きのピエタ』や『パラサイト』みたいに皆強い訳ではない。「ケンチャナヨ」って言ってる人もみんな大丈夫な訳ではないのです。
大丈夫、あなたはひとりじゃない。 『82年生まれ、キム・ジヨン』

主役ジヨンはチョン・ユミ、夫デヒョンはコン・ユと韓国で人気実力共にある二人が演じ、韓国で初登場1位を獲得するほどヒットした本作。シネギャラリーの棚に並んでいるチラシは二つ折りになっていて、中を開くと共感と絶賛のコメントを寄せてくれた著名人の名前がズラリ!女性ばかりなのですが、私は男性にも是非観ていただきたいなと思っています。
これを観て何かしてよ、という思いではなく、夫デヒョンの家庭、実家、職場での心の葛藤は男性にも共感できる内容だからです。今年のコロナ禍で働き方改革が叫ばれている中、急に何かが変わるとは考えていませんが、隣国の特別な人の物語ではなく私たちの身近な出来事であるこの物語を多くの人に伝えたいと思いました。

静岡シネギャラリーで上映中!!
2020/10/9(金)~11/5(木)迄
2020/10/9(金)~10/15(木)
①10:05~12:10
②15:05~17:10
③19:15~21:20
2020/10/16(金)~11/5(木)
時間未定
時間等はシネ・ギャラリー公式HPにてお確かめください。


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 【重要】2021/8/14(日)『映画:フィッシュマンズ』18:30の回、上映時間変更のお知らせ (2021-08-07 15:24)

Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 10:21

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静岡市葵区御幸町のサールナートホールです。定期的に演奏会、講座などのイベントを開催しています。3階は、映画館『静岡シネ・ギャラリー』。ご来館を心よりお待ちしております。

お問い合わせ先

(劇場直通)

054-250-0283

〒420-0857
静岡県静岡市葵区御幸町11-14

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