映画上映情報 なべ

１１月になりシネギャラリーの空調も換気をしながらの暖房に変わってきました。最近ではチケットの発券機も新しくなり、お渡しする半券には作品名と上映時間が書いてあるので鑑賞記録をつけていらっしゃる方には便利になったのではないでしょうか。

さて『マティアス＆マキシム』はグザヴィエ・ドラン監督の最新作で純度の高いラブストーリーです。ドラン監督作品は『たかが世界の終わり』『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』どちらも当館で上映しましたが、ドラン自身の出演はなかったので久々の自作への出演です。
幼馴染のマティアスとマキシムは３０歳、今でも仲間たちと集まっては楽しい時間を過ごしていた。その日もパーティで集まっていたが、仲間の妹が撮る短編映画に出てほしいと頼まれ、男性同士のキスシーンを演じた。そのキスをきっかけにお互いに心の奥底に秘めていた感情が溢れ出し、恋と友情との間で気持ちが揺れる二人。マティアスは仕事も順調で婚約者もいる。一方マキシムは母親との関係に苦しみ、育ったこの町を出たいと考えている。二人は気づいてしまった想いを抱えてどうしていくのだろうか。



この作品は2018年公開の『君の名前で僕を呼んで』（ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー出演）に感銘を受けたドランが誕生させた作品で、美しい映像や切ない物語や抜群の音楽のセンスはさすがといえます。今までの監督作品のようなヒリヒリ感や「死」を感じさせるものとは違い、主人公二人の気持ちに自然に寄り添って観られました。
マティアス役のガブリエル・ダルメイダ・フレイタスは髭が印象的で真面目な役どころですが、マキシムへの想いに気がつきオロオロするところは素朴でとても素敵でした。特にカフェのシーン。マキシム役のグザヴィエ・ドランは今回顔の半分に赤いあざのある青年でマティアスよりも冷静に見えるが自分の環境の中でもがいている姿は見ていて辛くなります。



実は、私はこの作品をオススメする文章を書くにはふさわしくないんです、単なる「ドランファン」なので…。今回も特典ポストカード付きのムビチケとパンフレットをしっかりゲットしてます。なので、なので、皆さん一緒にドラン作品に浸りましょう！うかうかしてると終わっちゃいますよ！と声を大にして言いたいのです。それが私とドラン作品を出会わせてくれたシネギャラリーへの小さな小さな恩返しであり、大切なお客様へのおすそ分けになるのかなと思っています。これは男性二人が主人公の恋愛映画ですが、LGBTがどうのとかそういったことは一切抜きのラブストーリーで、甘ったるいキラキラ映画ではないのでどんな世代の方にも見ていただきたいです。
静岡シネギャラリーでお待ちしています。

『マティアス＆マキシム』
2020/10/30（金）～11/12（木）迄
2020/11/6（金）～11/12（木）
①13：25～15：30
②17：20～19：25