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静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

映画上映情報 “福”支配人

『汽車はふたたび故郷へ』

「どんなときも、口笛ふいていこう。」『汽車はふたたび故郷へ』
どうも、映画『汽車はふたたび故郷へ』のコピーをとても気に入っている
静岡シネ・ギャラリーの“福”支配人です。
今日は映画の紹介というよりも、非常に個人的なここ数日の思案が強いですが、
ブログを書いてみようと思います。

5/30にNHK「クローズアップ現代」
“フィルム映画の灯を守りたい”というテーマで、
映画館や映写技術者の“今”を見つめる番組を放送していました。
(ご覧になった方も多いのではないでしょうか?)
(リンクは控えますが、検索すると放送内容が確認できますよ。)

番組内で、急激なデジタル化という嵐の中に巻き込まれている地方映画館の代表として、
三重県は伊勢市にある「進富座」の水野昌光支配人が出演していました。
この人は、“福”支配人が映画(館)業界で最も尊敬している人の一人です。
(この人との出会いが、「活動屋になるんだ」というきっかけにもなりました。)

「フィルムに対するノスタルジックなことではなくて、
 フィルムで100年の映画館が培ってきたものを、
 どうデジタルの時代に引き継いでいくか。
 僕らは“変わる時の証人”として、悩まなきゃいけないと思うんですよ。
 この時代に劇場を預かっているから。だから、その苦しみだと思っているんで。」

これは、番組中に水野さんが話していたことです。
(さすが水野さん、背筋が伸びる思いで聞いていました。)

たしかに映画のデジタル化は避けられないかもしれませんが、
フィルムの問題も含めて、今後の劇場のあり方にちゃんと苦悩しなくてはと思いました。

そしてその晩、劇的な偶然とでも言いましょうか、巨匠・新藤兼人監督の訃報ニュースが…。
“福”支配人は、昨年の『一枚のハガキ』公開時の舞台挨拶(@テアトル新宿)で、
現役最年長にして唯一の明治生まれである映画監督の言葉が忘れられません。

「いつもつまずいていまして、つまずく度に額をぶつけ続けました。
 しかし、泣きたくても泣いてはいけない。前を向いて歩いて参りました。
 しかし、なんでも終わりがあるように、私にも終わりが参りました。
 私も皆さんとお別れです。」

この『汽車はふたたび故郷へ』はオタール・イオセリアーニ監督の
半自伝的映画ですが、主人公ニコの映画に対する信念と苦悩が、
新藤監督の言葉と共にとても心に響く作品でした。

独立プロの映画製作が本当に大変なように、
独立系映画館(興行会社)も本当に大変な時期に来ています。

水野さんが言ったように「苦しまなきゃいけない」けれど、
今後も「口笛吹いていこう」と思います(不貞腐れや開き直りじゃなくて)。
新藤監督のように「前を向いて」参ります。

『汽車はふたたび故郷へ』は6/8(金)までの公開です。


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Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 13:44

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