eしずおかイベント情報

静岡市葵区御幸町にある、文化施設のサールナートホールです。 三階には、静岡シネ・ギャラリーも併設しています。 いろいろな催し物、映画を上映しています。

なべ

たった一つの希望は、母の絶対に諦めない愛『ベン・イズ・バック』

シネ・ギャラリーでは知る人ぞ知る「ルーカス・ヘッジズ祭り」(『スリー・ビルボード』『ある少年の告白』と立て続けに上映)のトリはジュリア・ロバーツと親子を演じたこの『ベン・イズ・バック』です。
ベンは19歳、薬物依存で施設にいたがクリスマスイブにひょっこり家族の住む家に帰ってきてしまう。この家は母の再婚でベンにとっては複雑な環境になっており、彼が時折見せる苛立ちや粗暴さにこれから起きる出来事への緊張感が高まる。母はベンの帰宅を歓迎する一方で、本当に依存症を克服できているのか、言動が信用できるのか、心が揺らいでいる。そして小さな街に「ベンが帰ってきた」と広まると事件が起きる。
母も知らなかったベンの過去を目の当たりにし、信念と苦悩の狭間で何ができるのか…。

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物語は現在のベンを描いていて、彼が動く先で過去のエピソードが少しずつ明かされていくが今の姿とはかけ離れた事柄のように感じる。でも彼の行動や表情には危ない予感がつきまとっているような気もする。ただの親子の克服物語ではない、ハラハラの展開が好きな観客も前のめりで観られるはず。
そしてすべて観終わったときに、私は何通りもの「BEN IS BACK」を受け止めました。

最近では『ワンダー/君は太陽』でこれまた息子を支える優しく強い母を演じたジュリア・ロバーツがベンの母ホリーを、『スリー・ビルボード』ではルーカス・ヘッジズの姉役のキャスリン・ニュートンが本作では妹アイヴィーを演じます。
ベン役のルーカス・ヘッジズはフランシス・マクドーマンドやニコール・キッドマンのオスカー女優の息子役、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』ではケイシー・アフレックの甥っ子役と若手の名バイプレイヤーでしたが、今回はしっかり主役の存在感を発揮して今まで見せなかったような表情を見せてくれています。

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今年の4月に私は東京で、薬物依存の息子と父親の映画『ビューティフル・ボーイ』(ティモシー・シャラメ主演、彼もルーカス・ヘッジズ世代のトップ注目俳優!)を見たのですが、200席近い劇場内はほぼ満席、すごい熱気の中でたくさんのすすり泣きが聞こえるという体験をしました。やはり若者の薬物依存と更生というアメリカの大問題が日本でも興味を持って考えられているんだなと感じます。二つの作品は同じ薬物依存をテーマにしていても違う種類の衝撃を見ている人に与えてくれるでしょう。静岡シネ・ギャラリーでは現在一日2回、3階の劇場で『ベン・イズ・バック』上映中です。ベンに近い世代の方、お父さんお母さん世代の方、どうぞお見逃しなく!

『ベン・イズ・バック』
6/8(土)~6/14(金)連日①12:10 ②17:10
6/15(土)~6/21(金)連日①12:50 ②19:10
https://benisback.jp/

(C)2018- BBP WEST BIB, LLC


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Posted by サールナートホール 静岡シネ・ギャラリー at 10:02

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お問い合わせ先

(劇場直通)

054-250-0283

〒420-0857
静岡県静岡市葵区御幸町11-14

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